ロシアンメソッド専攻の開設からお世話になっているヴェルシーニン先生に、2年ぶりにレッスンをしていただきました。先生は、楽曲の歴史的背景も含め、さまざまなアプローチで作品を学ぶ大切さを教えてくださいます。また、先生の多彩な音色を久しぶりに間近に聴くことができ、充実したレッスンとなりました。
【W.A.モーツァルト/ソナタ KV330 第一楽章】
- 重々しさも大切な曲もあるが、でもこの曲には軽さが必要。
- 音楽が流れているだけではいけない。音楽で語ること。
- 時代ごと(バロック、古典派、ロマン派、近現代)で、多種多様な音楽がある。それを研究する能力も必要。
- 作曲者の世界を知らなければならない。ピアノ曲だけでなく、交響曲やオペラも聴くこと。作曲家についての知識を入れてから演奏すること。
【L.v.ベートーヴェン/ソナタ 作品10−1 第一楽章】
- 次の和音にすぐに行かない。よく考えてから弾くこと。
- バスはピッチカート、コントラバスをイメージして。
- 左手の和音は少し小さく。
- 段々と音が重なっていく所をよく聴いて、やわらかく弾くこと。
【F.F.ショパン/ポロネーズ 作品44】
- リズムは正確に。楽譜通りに。拍をエネルギッシュに感じて。
- 右手も正確に、そして悲劇的に。
- バスの支えも大切に。
- ポロネーズのリズムを正確に。16分音符に注目して。
- 左手にはポロネーズの要素がすべて入っているので、リズムを正確に。右手はメロディーを美しく。
- 色々な舞曲(ワルツ、マズルカなど)を聴くといい。踊り方や歴史も調べてみること。
【J.S.バッハ/平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第6番】
- 雰囲気を大切に。短調の雰囲気や涙を表すイメージを感じて。
- ニ短調はバッハにとって特別な調性。
- 必ず声部ずつで練習すること。どの声部も暗譜で弾けるようにすること。
- フーガはどんな調性でも弾けるようにしても良い。(しかし移調された楽譜を見て弾くのではなく、原調の楽譜を見て移調奏すること)
- 実際に五線紙に書いて表してみても勉強になる。