講師：アントン・イグブノフ 先生

アントン・イグブノフ先生には、今年度２回目のレッスンをしていただきました。
一つ一つの表現の変化にも、なぜそうするべきなのか、丁寧に説明していただきながら、レッスンをしていただきました。

【F.Fショパン／スケルツォ　第２番】

• この曲で難しいのは、冒頭の三連符。しゃべりきれなくならないように注意することが大切。
• 三連符一音一音に言葉を当てはめ、しっかり発音できるように。
• 三連符の後は、バスより高音の和音をもっと華やかに、そしてしっかりとのばしきる。
• 符点のリズムはポロネーズ的なリズムに。
• 三連符に戻った時にブレーキをかけることはしない。
• 休符をしっかりと数えること。
• c-mollの和音→もっとも絶望したfffに。
• 右手のパッセージの時、左手の伴奏は抑えてppにして、背景として弾くことが大切。
• アニマの部分は、それまでの厳格なリズムから変化をつけて、もっと音楽が前にいくように。

【L.v.ベートーヴェン／変奏曲　作品３４】

• 拍をしっかり数える。特に�Yのヴァリエーションは、強拍はどこか感じながら数えなければならない。
• 速いパッセージはもっと自由に弾く。あまり誠実に均等に弾こうとしてむしろ、指が動かなくなる。まず何よりメロディーが大切。
• 一つのパッセージだと思って一つのラインで弾くように。
• テーマの分散和音は少し厳格に。チャイコフスキーにならないように。
• Adagio cantabileで弾くのは難しい。カンタービレに弾くために少しテンポを上げる。

【L.v.ベートーヴェン／変奏曲　WoO８０】

• ドミナントが続くということは特別で、その緊張感を出すことが大切。
• テーマの性格→神経質、厳格、そして残酷てあってよい。従ってやわらかいもの（テヌートなど）はいらない。
• 符点のリズムは32分音符にしない。
• 和声の発展も感じて、f-mollの和音へむかっていくように。
• Var.1に向かう時はまず、呼吸を整えて。
• 同じ音の連打は指を換えて。テーマから残ったものを丁寧に弾くように。その和声感も失うように。
• Var.３→もっとアジタートで。それは急ぐということではなく、心の問題で。
• Var.４→いろいろな登場人物（楽器）をもっと弾き分ける。