第3回目のレッスンは、毎年本校でご指導いただいている、アレクセイ・カマロフ先生がご指導してくださいました。カマロフ先生は、生徒の様子をご覧になり、良いところを更に伸ばすために、具体的なアドヴァイスをしてくださいました。
【アレグロ 作品8 /R.シューマン】
- 形式をまとめることが大切。この曲はフェルマータがたくさん出てくるので、一つひとつのフェルマータを弾き分ける。そのようにすることで、部分ごとに分かれていることに気づき、曲の中の結論に向かっていくことができる。
- 休符が続いていても、いつも次に向かって行くこと。
- 曲の「モチーフ」をしっかり示す。霧がかかったようにならない。
- フェルマータは休符なので、必ずとまること。その後すばやく次のフレーズへ行くこと。
- 視覚的な面でも注意が必要。(フェルマータ後の次の音を)早めに準備すると、次に何が起こるか聴衆が分かってしまう。
- pとppの違いをはっきりと。どこにどの記号があるのかを把握すること。そして音色をすべて聴き取ること。
- リズムや音の動きが同じフレーズが3回続く場面では、「3回目」に向かっていくように。3回すべて同じように弾いてはならない。
【インヴェンション第8番 /J.S.バッハ】
- 音源などを聴いて、曲がどのような性格を持っているのか、どんな感情をもっているのか、どんなに音楽が華やかなのか、最大限理解すること。
- エネルギッシュな曲なので、決然と弾くべき。炎を持って。
- 自分で「弾くぞ!」と思う気持ちが必要。自分の力で自立するように。自分でそれを課題とすること。
- 休符は休みではなく、弾く準備をする時間。
- アクティブな弾き方に指が慣れるように。
- どの曲でも指を弱くして弾いてはならない。指も生きているように。
- 16分音符は「しゃべる」ように弾く。滑舌良く。
【ソナタ KV280 第一楽章 /W.A.モーツァルト】
- 右手と左手のバランスを考えて。
- メロディーは必ず歌いきること。
- 響きを聴くこと。特に右手から左手、あるいは左手から右手に移り変わる時の絶え間ない響きを聴く。
- 音が上行していく場面では、常に上に登って行くイメージで。
- 「p」と書かれている所は、誰でも弱々しくなりがち。「p」だからこそ、その音をしっかり響かせること。
- 左手がオクターブになる所は、コントラバスの音をイメージして。叩かずにまた重くならずに。柔らかく、華やかに。