ロシアンメソッド専攻設立以来、お世話になっておりますヴェルシーニン先生をお迎えして5日間にわたり、レッスンしていただきました。

 レッスン曲:W.A.Mozart/Sonate KV311 1.Satz
・フレーズの問いかけと答えのニュアンスを感じること。自分の呼吸と一致する奏法で弾いてほしい。
・不要なアクセントは避けながら、音階を生き生きとさせるために上行の場合、少しクレシェンドする。
・音楽の言葉(単語)をしっかり示しつつ、大きなフレーズを感じること。
・頭の中で考えている音楽がその通りになるような手の動きが必要。
・楽譜に書いてあることは全てよく見て弾くこと。
・左手は美しいメロディーになっているので、指使いに気をつけること。モーツァルトは左手が面白い。・バッハの子供用の小品の原譜は、不思議な指使いが書いてある。昔は1の指を使わなかったがバッハが使い始めた。フレージングがうまくいく指使いがあるので試してみてほしい。
・モーツァルトのオペラは怖さ、悲しみ、暗さなども感じる場面がある。歌うようにコントラストをつけて弾くこと。  

レッスン曲:L.v.Beethoven/Sonate Op.10-1 1.Satz
・感情を入れて弾くことは大切だが、コントロールしなければならない。ピアノという楽器の特性を見せなければならない。
・フランツ・リストは、レッスンの時に「君の音色は、たんすが床に倒れたような音だ」というたとえをした。客観的に自分の音色をよく聞くことが大切。
・一番初めの和音は7つ音がある。ピアノの響きの中で大きく響く和音を聞くことで、聞く人の注意をひかなければならない。
c moll はバッハの響きから影響を受けている。悲劇的な場面を表すことがある。内面の辛さ、自分の運命を語っているような世界。ベートーヴェンはOp.100くらいから聴力を失った。全く音が聞こえなくなってから、音楽の内容が濃くなっている。最後のソナタは自分のまわりから隔離されている。
たとえ3ページのソナタでも、内面の世界にどんどん入っていく。この作品の短調がどこに向かっていくのかをわかってなければならない。

ヴェルシーニン先生の大好きな
アンパンマンがお出迎え
第5回専攻レッスン(8月3日〜8月8日)

講師:アレクサンドル・ヴェルシーニン先生