第9回専攻レッスン(11月4日〜11月6日)

講師:アルチョム・アガジャーノフ先生

○嘆きのfと笑うfは違う。この差をきちんと感じてから音を出すこと。

○音楽の流れができたら、音の質を探すことが次の段階。これは大変細やかで大変な作業 である。

○ペダル無しで残響がしっかりと残るような弾き方をすること。

○一番の低音をしっかり出すと全体のバランスがよくなる。

○身体の軸がぶれないように。ピアノを弾く生徒ではなく、アーティストして弾いてほしい。肩を開いて自分が大きいと感じること。手を長く感じて腕も広げて遠くから力強く自由に怖がらず演奏することが大切。

○フレーズの動き(手指)を1つのまとまりとして考えること。指を別々に動かそうとしてはいけない。

○メロディーはpで弾かないと考えたほうがよい。左手を変えること。

○ホールを満たすような響きを感じること。ピアノが鳴っているのではなく、天井まで届いて返ってくる音を聞くこと。

○自分の耳(聴く力)に集中すること。自分の指を気にするのではなく、どう音が伸びていくのかに注意を払うべき。目を閉じて音をよく感じること。

○クレッシェンド=重さの増加。デクレッシェンド=重さの軽減。指は腕の重さに操られてはいけない。どんなテンポも手首の動きは同じ。速いからといってかたまらないように。

○ペダルは音を濁らせないように。耳でよく聞くことを忘れてしまうと「汚い響き」を感じなくなってしまう。これは大変恐ろしいこと。

○いつでもピアニストは遠くから別人がコントロールして自分を見ていなくてはいけない。

○ベートーヴェンはとても強い人である共にとてもやわらかくて繊細な人だった。ショパンはやわらかくて優しいだけでなく、人間として決然としたところもあった。この人間性は音楽に表れている。