第8回専攻レッスン(10月30日〜11月2日)

講師:アルチョム・アガジャーノフ先生

○バッハのフーガは、テーマでない対旋律の方が興味深いことがある。 テーマと同じく、どちらも大切に扱うことでテーマを導くことができる。

○バッハの楽曲は、ヘンレ版などの他にムジェリーニ版、ブゾーニ版などさまざまあり、どの版も解釈が違うので演奏者が自由に選択して解釈して良い。

○演奏するとき、身体は音楽に合わせて自然に揺れたりするが、とくべつ大音量が必要なときを除いては、身体の軸は演奏に参加させない。

○変ニ長調はいつも特別な音楽に使用されている(ベートーヴェン/ソナタ熱情第2楽章、ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲より第18変奏 など)ので大切に感じること。

○レガートやスラーなど、複数の音符をつなげて弾きたいときは、手の動き一回で弾く。

○作曲家が楽譜に書ききれないことはたくさんあり、作曲家は演奏家に書ききれないことも感じて演奏してほしいと期待している。

○メロディの中にテヌートやアクセントがあっても、聴衆に「テヌートしたな」「アクセントしたな」と気付かれないよう、自然に音楽の中に入れる。演奏者だけが知っているように。

○同音が続くメロディでもレガートに演奏したいときは、鍵盤が上がりきらないうちにまた鍵盤を下げてタッチすると凹凸が抑えられる。

○ショパンは女性的だという意見がよくあるが、彼の音楽はとても男性的で情熱的。

○テクニック的に「難しい」ということは無い。正しくない弾き方で演奏しているだけ。

○ショパンも優れたピアニストだったので、ショパンの音符を見ればどのような動きで弾くべきか自然に見えてくるし、その動きは柔らかく自由で、美しい動きになる。