今回は、ロシアンメソッド専攻設置1年目のコンサートと公開レッスンを行ってくださったプロトニコワ先生のレッスンでした。先生はモスクワ音楽院教授であり、附属の中央音楽学校ピアノ主任教授という多忙な毎日の中、新潟中央高校の生徒のために熱意あふれるご指導してくださいました。
○ベートーヴェンソナタOp.10-2は、劇中の登場人物を当てはめてみるとよい。攻められている場面、和解している場面など、どうしても弾き分けてみたくなるように考えること。
○音が切れる(消える)ことを恐れず、休符をきちんとつくることで音楽が変わってくる。
○一つ一つのパッセージ。フレーズをきちんと弾ききってから、次のフレーズへ移ること。
○ベートーヴェンの肖像画を見ると、髪はぼさぼさ、気分の移り変わりが激しく、熱く男性的な人だった、つまり、16分音符の速いパッセージも塵のように軽く弾かず、熱く弾くこと。
○嵐のようなところ、柔らかいところなど、自然に例えられるテーマはとても大切。イントネーションをきちんとつけること。
○どんな風に弾き始めたいのか、そのイメージに沿った手のフォーム、身体の姿勢で始めること。
○同じAllegro con brio でも、靴もまだ履かない内に走り始めるような焦った感じにせず、自制心をもって弾くこと。
○ベートーヴェンは叙情的なところとそうでないとことの対比がとても大切である。
○音符が上がった、下がった・・の高低差を感じて上行形の場合はクレッシェンドすること。
○前の音の残響までよく聴いて音量をコントロールし、次の音につなげること。
○急に転調するところは、メトロノーミックに弾かないこと。突然立ち止まって「え?」と周りを見回してはっとするように。
○音楽は曲の中でどんどん展開・変化している。何も起こらないわけはない。イントネーションや響きの違いがあるはず。
○ソナタ形式の展開部の終わりなど、到達音である音にしっかり時間を使い「結果」を見せる緊張感が必要。
○和声の響きをよく聞いて感じ、それがどう広がり、切り開かれるかに意識をもつ。
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講師:イリーナ・プロトニコワ先生