5月の演奏会以来、今年度2回目のレッスンを1年生中心に受けました。いつもながら作曲家としての視点で、まず楽譜から何を読み取るのかという基本的なことからしっかりとご指導してくださいました。

○音楽の流れの多様な表現ができるために、柔らかい、硬い、なめらか、強いなどのコントラストをつけることが大切。

○まず、ゆっくり弾いてイントネーションや和音の全てを聴くこと。

○バッハの二声は和音が隠されている。美しい進行はゆっくり弾いても速く弾いてもきちんと聞こえるように練習する。

○弾き手が美しいと感じなければ、美しくは弾けない。それを感じて欲しい。

○楽譜の分析はとても大切。緊張感のある場所をしっかりおさえること。

○悪い演奏は間違った演奏でもある。

○曲中のとても小さな差が軽さ、重さ、優雅さにつながる。

○演奏は1,000くらいの細かなことを積み重ねて研究すること。これが最終的に音楽 になる。ショスタコーヴィチはモスクワ音楽院で教えていた時、「音楽を決めるのはミリ単位、いやミクロの単位の要素だ」と言った。

○楽しく軽い音楽は、細かいことに神経を遣う必要がある。

○ハイドンはまさにオーケストラの音楽。(後期を除く)

○ホールの響きを聞きながら弾けるようにすること。そして右手と左手のバランスをとることが大事。

○長調から短調に入る前に少し奏法により間をあける。変化を見せるため。音の大きさ、奏法、長さ、この3つの要素を常に考えること。

○跳躍した2つの音は別々ではなく、1つのメロディーとして弾く。

○モーツァルトやハイドンはシンフォニーを作曲しているので、pで弾くものではない。

○100人くらいのオーケストラ並みのエネルギーをかけるべき。表情豊かに演奏する。

第4回専攻レッスン(7月13日〜7月17日)


講師:アルチョム・アガジャーノフ先生