【平成26年11月4日(火)〜11月6日(木)】
講師:アレクサンドル・ヴェルシーニン先生
今回は、ロシアンメソッドピアノ専攻が設置される前年から、お世話になっているヴェルシーニン先生のレッスンが行われました。
音楽史や音楽理論、また哲学的なお話しも含め、大変勉強になる内容でした。
○和声の変化に気をつけながら演奏すること。
○正しい指遣いを見つけるために、試すことが必要。
○鍵盤の上から弾くことによって動きが大きくなり、表情をつけることができる。
○ブラームスは表面的には厳格だが、内面は違う。シューマンはその逆。内面をしっかり と表現すべき。
○楽譜をまずアナリーゼすることが大事。曲の特徴を捉えて頭の中でできていないとダメ。
○楽譜を見て、楽曲分析すること。楽器から離れてテンポ・ポリフォニー・フレーズなど 最初は難しい作業だが、音楽を勉強し続けると楽になってくる。
○プロと愛好家の違いは、単純に自分が思った通りに演奏するかそうでないか。例えばリストは自分の作品を許可した生徒のみに弾かせていた。才能のある生徒のみに演奏させていたということは、きちんとアナリーゼできなくてはいけないということ。
○ポリフォニーは上の声部と下の声部をしっかり見定めなくてはいけない。
○考えなくてもできるようになるということが「習得した」ということになる。では、何を考えなくてはならないか。それは楽譜に書いてあることを読み取ることである。
○ストラヴィンスキーは、演奏者がオリジナルに考えて演奏することなどあり得ないと思っていた。作曲家と演奏者の考えが同じだとは限らない。
○鍵盤とのコンタクトをとりながら弾く。鍵盤が指を押し上げてくれるかのように弾くこと。
○速いパッセージは指を上げすぎると弾くことが難しい。また、指を上げるとコントロールしにくいため、コンパクトな動きにするとよい。
○フレーズは手首で弾くこと。鍵盤を這うように練習する。ハノンでもモシュコフスキー でも練習できる。1の指はノンレガート、4と5の指はレガートなど、ヴァリエーションをつけて指を訓練すること。
大変、わかりやすく広い知識に裏打ちされた内容の濃いレッスンでした。