今回は、ロシアンピアノメソッドの開設時よりお世話になっているヴェルシーニン先生よりレッスンしていただきました。
曲を細やかに区切り、レッスン生と一緒に弾きながら、その「響き」の違いに注目させながらご指導してくださいました。
(指導内容の抜粋)
○1つ1つのピアノのタッチを自分でチェックして、聞き逃さない姿勢が大切。
○音楽面での自分の課題を常にたてなくてはならない。
○どんな音楽をしたいかがまず先で、その次にテクニックや奏法を考える。
○コントラストをつけるためのフレーズの処理のためのペダルの付け方を考えること。
○ペダルはまずつけずに弾いてから、部分使いで使い美しくない音(響き)にしないように
するとよい。
○ペダルは踏むとダンパーが離れて、弾いた音の他のピアノ弦が共鳴する。この響きの違い
をよく知っておくこと。
○レガートかつはっきり聞こえる奏法を身につけよう。
○無駄なアクセントはとること。
○指遣いは、跳ねながら弾かなければならないものならば、変えなければいけない。
また、一度に和音を弾くことができる指遣いでなければならない。
○リヒテルは晩年、楽譜を見ながら演奏した。それまでは暗譜だった。
これは、自分の考えではなく、楽譜に書いてあることを正確に伝えるために変えたと言わ
れている。
○ハイドンはオーケストラだと持って曲を構成をしている。
それぞれの人がそれぞれのパートで練習するように、ピアノでも右手と左手でしっかり
別々に練習しなければならない。
とても温かいお人柄のヴェルシーニン先生は、音楽に対して妥協しない姿勢と「美しい響き」を追求することを教えてくださいました。また、ロシアンメソッドが始まって3年目となり、「どの生徒もレッスンに対する反応が速くなり、よくなっている。」とおっしゃっていただきました。先生の一言一言で、がらっと生徒の音楽が変わる場面もあり、先生のご指導でピアノの素晴らしさを実感できたレッスンでした。
講師:アレクサンドル・ヴェルシーニン先生